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面倒な書類作成は行政書士にお任せください
新規に建設業許可を申請をするには、約20種類の書類を作成し、また10種類以上の添付書類を用意しなければなりません。作成する書類の中には貸借対照表、損益計算書、完成工事原価報告書などの財務諸表が含まれており、しかもこれらを建設 業許可申請に適したものにしなければなりません。この作業には膨大な時間と知識が必要で、現場工事を終えてから取り掛かるとすれば、何十日もかかると思い ます。また、時間と労力をかけて作成して、いざ申請窓口に行くと、大抵はミスを指摘され、何度も窓口に足を運ぶことにもなりかねません。果たしてこれがみ なさまにとって効率的なことでしょうか?
そのようなときこそ建設業許可申請のプロである行政書士を活用なさってはいかがでしょうか?行政書 士にご依頼いただければみなさまの代わりに書類を作成することはもちろん、窓口で事前に打ち合わせしたりと、みなさまの労力をできるだけ少なくすることが できます。また、豊富な知識と経験によりスピーディーに書類を作成することができますので、みなさまが行うよりもより早い申請が可能となります。
面倒な書類の作成、添付資料の収集、行政との打合せなどを代わりにさせていただくことで、みなさまをスムースに許可取得まで導きます。ぜひ許可申請の全てを私にお任せいただき、みなさまはその時間と労力を本業に注いでください。
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建設業許可を持つメリット
建設業許可とは何か
一般的に建設工事の完成を請け負うことを営業とするには、建設業法に基づき、許可を受けなければなりません。この場合、発注者から直接建設工事を請け負う元請負人はもちろんのこと、下請負人の場合であっても、請負として建設工事を施工する者は、個人であってもこの許可を受ける必要があります。 ただし、下の表にある軽微な工事のみを請け負って営業する者は、必ずしもこの許可を受けなくてもよいこととされています。
許可をうけなくてもできる工事 | |
---|---|
建築一式工事 | 工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事 |
延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事 | |
建築一式工事以外 | 工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事 |
なお、この「請負代金の額」の算定にあたっては、
● 1件の工事を2つ以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の合計額
● 注文者が材料を提供する場合は、その材料費等を含む額
● 単価契約とする場合は、1件の工事に係る全体の額
● 消費税及び地方消費税を含む額
となることに注意が必要です。
建設業許可はいくつかの要件をクリアしてはじめて取得できるものであり、許可を持つ建設業者は、工事経験や技術に関して一定のレベルに達していると国や都道府県が認められたということです。すなわち、許可を取得すれば信用度が上がるということになります。
建設業許可を取得したほうがよい理由
建設業許可を持つ業者は、経験や技術の面で一定のレベルにあると認められ、許可を持たない業者よりも信用力があるということは上でも述べました。工事を発注する側にとってみれば、建設業の経験が何年あるのか、どういった資格や実務経験のある人がいるのかがわからない業者よりも建設業許可を持つ業者に発注したいと思うのは ある意味自然なことです。
弊所でも「建設業許可取ってもらわないと仕事を回せなくなるって元請けさんが言うんです」と おっしゃる建設業の社長様からの相談が増えてきております。元請け業者である大手建設会社も、より信用力のある建設業許可業者を下請けに使うことで工事におけるリスクを分散させようとしているわけです。このように建設業許可の有無は工事発注の1つの判断基準になっています。
また、建設業許可を持たない業者は500万円以上の工事を請け負うことはできません。少々極端な例ですが、一週間後に500万円以上の工事の発注がある可能性だってあ ります。今建設業許可を持っていなかったら、経験も技術も自社よりも劣るけれど既に建設業許可だけは持っているライバル会社に持って行かれることだってあり得るんです。建設業許可を取得するには要件審査から書類作成、提出まで約 1ヶ月かかります。業務の拡大という点からみてもできるだけ早く建設業許可を取ることがベターな選択と言えます。
「うちは500万円未満の工事しかしないからいいよ」とおっしゃる社長様もおられると思います。ですが、許可を持っていないことでせっかくの受注を逃してしまうのはなんとももったいない話ではないでしょうか。
建設業許可を持つことで得られる3つのメリット
ここでは建設業許可を取得することで得られるメリットを簡単におさらいします。
500万円以上の工事を逃すことがなくなり、売上の増大につながる。
経験や技術力の高さを背景として、発注者や元請け業者が安心して仕事を任せられるようになる。また、許可を持っていることで金融機関への信用度が増し、融資などの面でも有利に働く可能性がある
建設業許可を取得したうえで、別途経営事項審査を受け、入札参加資格申請を行うことで、公共工事に参入する機会が増え、業務の拡大につながる。
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一式工事業と専門工事業
一式工事業と専門工事業
建設業許可は2つの一式工事業と26の専門工事業に分けて行われます。
一式工事とは「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物または建築物を建設する工事」で、基本的には2つ以上の専門工事を組み合わせて行う工事です。例えば大工工事、左官工事、屋根工事、管工事、電気工事、内装仕上工事などを組み合わせて行われる住宅の建築は建築一式工事に該当します。なお、土木一式工事及び建築一式工事については、必ずしも2つ以上の専門工事の組み合わせは要件でなく、工事の規模、複雑性等からみて個別の専門工事として施工することが困難なものも含まれます。
一式工事の許可業者が、土木一式工事または建築一式工事を施工する場合において、これらの一式工事の内容である各種専門工事を施工するときには、次のいずれかの方法で施工することになります。
①当該専門工事について主任技術者となりうる資格を有する者を専門技術者として設置して自ら施工する
②当該専門工事について許可を有する専門工事業者に下請負させる
しかし、一式工事の許可のみを受けている者が、専門工事を単独で請け負う場合には専門工事の許可が必要となります。
<例>建築一式工事(建築工事業)の許可しか持っていない業者が、顧客から「外壁の塗り替えをしてほしい」と依頼されても工事を請け負うことはできません。
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建設業許可の29業種区分
建設業許可の29業種区分
建設業許可は下表にある2つの一式工事業と27の専門工事業から成っています。
工事の種類をそれぞれクリックしていただくと、具体的にどんな工事が該当するかとか専任技術者になることができる国家資格等を記載したページにリンクしていますので、そちらもぜひご覧ください。
工事の種類 | 業 種 | 建設工事の内容 | |
---|---|---|---|
1 | 土木一式工事 | 土木工事業 | 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造または解体する工事を含む。以下同じ。) |
2 | 建築一式工事 | 建築工事業 | 総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事 |
3 | 大工工事 | 大工工事業 | 木材の加工または取付けにより工作物を築造し、または工作物に木製設備を取付ける工事 |
4 | 左官工事 | 左官工事業 | 工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹き付け、又ははり付ける工事 |
5 | とび・土工・コンクリート工事 | とび・土工工事業 | ①足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事 ②くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事 ③土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事 ④コンクリートにより工作物を築造する工事 ⑤その他基礎的ないしは準備的工事 |
6 | 石工事 | 石工事業 | 石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工または積方により工作物を築造し、または工作物に石材を取付ける工事 |
7 | 屋根工事 | 屋根工事業 | 瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事 |
8 | 電気工事 | 電気工事業 | 発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事 |
9 | 管工事 | 管工事業 | 冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、または金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事 |
10 | タイル・れんが・ブロック工事 | タイル・れんが・ブロック工事業 | れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、または工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、またははり付ける工事 |
11 | 鋼構造物工事 | 鋼構造物工事業 | 形鋼、鋼板等の鋼材の加工または組立により工作物を築造する工事 |
12 | 鉄筋工事 | 鉄筋工事業 | 棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、または組立てる工事 |
13 | ほ装工事 | ほ装工事業 | 道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石とうによりほ装する工事 |
14 | しゅんせつ工事 | しゅんせつ工事業 | 河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事 |
15 | 板金工事 | 板金工事業 | 金属薄板等を加工して工作物に取付け、または工作物に金属製等の付属物を取付ける工事 |
16 | ガラス工事 | ガラス工事業 | 工作物にガラスを加工して取付ける工事 |
17 | 塗装工事 | 塗装工事業 | 塗装、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、またははり付ける工事 |
18 | 防水工事 | 防水工事業 | アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事 |
19 | 内装仕上工事 | 内装仕上工事業 | 木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事 |
20 | 機械器具設置工事 | 機械器具設置工事業 | 機械器具の組立て等により工作物を建設し、または工作物に機械器具を取付ける工事(補修、改造または解体する工事を含む。以下同じ。) |
21 | 熱絶縁工事 | 熱絶縁工事業 | 工作物または工作物の設備を熱絶縁する工事 |
22 | 電気通信工事 | 電気通信工事業 | 有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事 |
23 | 造園工事 | 造園工事業 | 整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、または植生を復元する工事 |
24 | さく井工事 | さく井工事業 | さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事またはこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事 |
25 | 建具工事 | 建具工事業 | 工作物に木製または金属製の建具等を取付ける工事 |
26 | 水道施設工事 | 水道施設工事業 | 上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事または公共下水道もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事 |
27 | 消防施設工事 | 消防施設工事業 | 火災警報設備、消火設備、避難設備もしくは消火活動に必要な設備を設置し、または工作物に取付ける工事 |
28 | 清掃施設工事 | 清掃施設工事業 | し尿処理施設またはごみ処理施設を設置する工事 |
29 | 解体工事業 | 解体工事業 | 工作物の解体を行う工事 |
平成28年6月1日より、建設業許可業種が1つ追加されました。従来とび・土工工事業の中に含まれていた「解体工事」が29番目の業種になりました。これにより、平成28年6月1日以降に税込500万円以上の解体工事を請け負う場合は「解体工事業」の許可が必要となります。なお、平成28年5月31日時点で「とび・土工工事業」の許可を受けている建設業者は平成31年5月31日までは、「解体工事業」の許可を受けずに税込500万円以上の解体工事を請け負うことができるという経過措置がとられています。
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知事許可と大臣許可
知事許可申請と大臣許可申請
建設業許可は、都道府県知事または国土交通大臣のどちらかが行うこととされています。この区分は工事の請負金額、業種の別に関わらず、営業所の所在地のみによってなされるものです。
知事許可 | 大臣許可 |
---|---|
1つの都道府県内にのみ営業所を設けている | 2つ以上の都道府県に営業所を設けている |
よく誤解されやすいのですが、1つの都道府県内に複数の営業所があったとしても、大臣許可を取る必要はありません。知事許可で大丈夫です。
また、支店、営業所など従たる営業所が、許可を受けた業種について軽微な建設工事のみを行う場合も法に規定する営業所に該当するため、従たる営業所が主たる営業所の所在する都道府県以外に設けられている場合は、大臣許可が必要になります。
また、知事許可業者でも、営業所がある都道府県以外での建設工事を請け負うことは可能です。許可区分はあくまで営業所の所在地でみます。
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一般許可と特定許可
一般建設業許可と特定建設業許可
建設業許可は、業種ごとに一般建設業または特定建設業のいずれかを受けることになります。発注者から直接請け負う1件の建設工事につき、当該工事にかかる下請代金の総額が一定額以上となる場合には特定建設業許可を、それ以外の場合は一般建設業許可を受けることが必要になります。一定額については下の表をご参照ください。
建築一式工事 | 建築一式工事以外 | |
---|---|---|
下請に出せる代金の総額 | 4,500万円以上 | 3,000万円以上 |
建築一式工事の場合は、工事全体の3分の2は下請けに出すのが一般的とされているため、7,000万円くらいの工事を請け負う場合は特定建設業許可が必要であると考えられています(絶対ではありません)。なお、特定建設業は下請負人の保護の徹底を図るために設けられた制度であり、特定建設業許可を受けた場合には、下請代金の支払期日、下請負人に対する指導、施工体制台帳の作成など特別な義務が課されます。
一般建設業許可と特定建設業許可のポイント
一般建設業許可、特定建設業許可のどちらも請負金額に制限はない
発注者から直接請け負う請負金額については、一般建設業であっても特定建設業であっても制限はなく、一般建設業でも工事をすべて自社で施工するか、あるいは1件の工事について3,000万円(建築一式工事は4,500万円)未満の工事を下請施工させるならば、受注金額に制限はありません。
発注者から直接請け負ったものでない限り、下請金額が3,000万円(建築一式工事は4,500万円)以上であっても、特定建設業許可を受ける必要はありません。例えば、A社がB社に1億円の建築一式工事を発注したとして、B社がこのうちの6,000万円分をC社(1次下請け)に下請けに出した場合、下請金額が4,500万円以上なのでB社は特定建設業許可を受けなければなりません。しかし、C社が仮に4,500万円の工事をD社(2次下請け)に下請けに出したとしても、特定建設業許可を取る必要はないのです。C社は元請業者ではないからです。
同一業種について、一般許可、特定許可の両方を受けることはできない
例として、Aという建設業者が、「土木工事業」という業種では特定建設業許可を、「とび土工工事業」という業種について一般建設業許可を受けることはできます。また、土木工事業で特定建設業許可、とび土工工事業でも特定建設業許可を受けることもできます。しかし、土木工事業という業種で一般建設業許可と特定建設業許可の両方を受けることはできません。
特定建設業といえども請け負った建設工事をそのまま一括して他者に請け負わせる契約(一括下請契約)は、事前に発注者の書面による承諾を得た場合以外は禁止されています。
施工技術の総合性などを考慮して下の7業種については「指定建設業」に定められ、特定建設業許可を受けようとする者の専任技術者は、1級の国家資格者、技術士の資格者または国土交通大臣が認定した者でなければなりません。
土木工事業、建築工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、電気工事業、造園工事業
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建設業許可における営業所
建設業許可における営業所
建設業許可は「営業所」の所在地が基準になります。ここでいう「営業所」とは、本店または支店もしくは営業所等で、常時、建設工事の見積り、入札、請負契約の締結などを行い、建設業に係る営業に実質的に関与する事務所のことをいいます。具体的には
①請負契約の見積り、入札、契約締結などの実態的な業務を行っていること
②電話、机、各種事務台帳などを備え、居住部分などとは明確に区分された事務室が設けられていること
③見積り作成、契約締結等に関する権限が付与された者が常勤していること
④技術者が常勤していること
したがって、建設業には全く無関係な支店、営業所及び登記上の本店や、建設業に関係があっても特定の目的のために置かれる工事事務所、作業所、事務連絡所等は含まれません。
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許可取得に必要な経営業務管理責任者
経営業務の管理責任者(建設業許可要件その1)
建設業許可を取得するためには、5つの要件を充たしていなければなりません。そのうちの第1の要件が、営業所に経営業務の管理責任者が現在在籍していることです。
(なお、経営業務の管理責任者の要件は平成29年6月30日に改正されました。本ページについては現在加筆修正中であり、皆様にはご迷惑をおかけしております。速やかな修正作業に努めておりますが、経営業務の管理責任者の要件についてはご自身でご確認いただきますようお願いいたします。当ホームページをご覧になった方が当ホームページに掲載された情報により何らかの損害を被ったとしても、弊所は一切の責任を負いませんので、予めご了承ください。)
経営業務の管理責任者とは、
○法人である場合には、常勤の役員
○個人である場合には、事業主本人や支配人登記簿に登記済の支配人
である者のうち、建設業の経営業務に関して営業取引上対外的に責任を有する地位にあり、過去に経営業務を総合的に管理し、執行した経験を有する者をいいます。
用語説明 | 内 容 |
常勤 | 本社、本店等において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している状態 ※原則毎月の役員報酬が10万円以上というのが目安です |
役員 | 株式会社、特例有限会社の代表取締役または取締役 指名委員会等設置会社の執行役 持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)の業務執行社員 社団法人、財団法人、協同組合、協業組合等の理事 ※監査役、執行役員、監事、業務を執行しない社員、事務局長などは原則として含まれませんが、業務執行社員、取締役又は執行役に準ずる地位にあって、許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等については含まれます。 |
支配人 | 営業主に代わって、その営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する使用人で、法務局において登記されている者 |
また、経営業務の管理責任者は、次のような経験を有していなければなりません。
(1)許可を受けようとする建設業種に関し、次のいずれかの地位にあって5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること
①法人の役員
②事業主本人または支配人(登記済)
③支店長または営業所長(請負契約の締結権限等を有する者に限る。主に上場企業が該当)
④業務執行権限を委譲された執行役員
(具体例)建築工事業の許可を受けたい場合
建築工事業を行うA建設で取締役として5年の経験がある→(○)
建築工事業を行う個人事業主として5年の経験がある→(○)
建築工事業を行うA建設で取締役として4年、その後建築工事業を行う個人事業主となって1年の経験がある→(○)
建築工事業を行うA建設で熊本支店長(営業取引上対外的に責任を有する地位にある)として5年の経験がある→(○)
建築工事業を行うA建設で建築事業部門の執行役員として5年の経験がある→(○)
建築工事業を行うA建設で建築事業部門の執行役員として4年、建築工事業を行うB建設で取締役として1年の経験がある→(○)
屋根工事業を行うC建設で取締役として5年の経験がある→(×)
建築工事業を行うA建設で監査役として6年の経験がある→(×)
建築工事業を行うA建設で人事部門の執行役員として5年の経験がある→(×)
(2)許可を受けようとする建設業種以外の建設業種に関し、上記①~③の地位にあって6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること
(具体例)電気工事業の許可を受けたい場合
大工工事業を行うD工業で取締役として6年の経験がある→(○)
大工工事業を行う個人事業主として6年の経験がある→(○)
管工事業を行うE管工で取締役として6年の経験がある→(○)
管工事業を行うE管工で取締役として4年、屋根工事業を行うF組で取締役として2年、合計6年の経験がある→(○)
屋根工事業を行うF組で取締役として4年、電気工事業を行うG電工で取締役として2年、合計6年の経験がある→(○)
屋根工事業を行うF組で取締役として4年、電気工事業を行うG電工で執行役員として2年、合計6年の経験がある→(○)
塗装工事業を行うG塗装で取締役として4年、その後板金工事業を行う個人事業主となって2年、合計6年の経験がある→(○)
塗装工事業を行うG塗装で取締役として4年、屋根工事業を行うF組で執行役員として2年、合計6年の経験がある→(×)
塗装工事業を行うG塗装で取締役として4年、屋根工事業を行うF組で取締役として1年、合計5年の経験がある→(×)
塗装工事業を行うG塗装で
(3)許可を受けようとする建設業に関し、6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位(常勤)にあって、経営業務を補佐した経験を有していること
(具体例)土木工事業の許可を受けたい場合
土木工事業を行うH土木(上場企業)で工務部長として7年の経験がある→(○)
土木工事業を行う個人事業主の子、妻、共同経営者として10年経営を補佐した経験がある→(○)
土木工事業を行うH土木で工務部長として3年、その後土木工事業を行うI建設(非上場)で取締役として3年、合計6年の経験がある→(○)
土木工事業を行うI建設で工務部長として6年の経験がある→(△)
土木工事業を行うH土木で工務部長として6年、大工工事業を行うC建設で工務部長として3年、合計9年の経験がある→(×)
この場合は、個人事業主の子、妻は確定申告書の「専従者名」の欄に名前が記載されていることが必要です。また、非上場会社の建築部長は、従業員の数にもよりますが、組織図があっても経験として認められない可能性があります。請負契約を締結した経験が重要となりますので、建築部長、工務部長、営業部長などは可能性がありますが、人事部長、経理部長等の役職では難しいと思われます。役員と部長の間に役職として本部長などがいる場合も、経営を補佐したとは認められないでしょう。詳しくはお尋ねください。
経営業務管理責任者の地位、常勤性、実績を確認する書類
経営業務の管理責任者は現在の地位と常勤性、過去の地位、常勤性、実績を証明する必要があります。下表は証明に必要な書類の一例です。
現 在 | 過 去 | |||
法人の役員 | 地位 | ・履歴事項証明書・閉鎖登記簿謄本 | 地位 | ・履歴事項証明書・閉鎖登記簿謄本 |
常勤性 | ・健康保険被保険者証の写し ・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し ・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し ・厚生年金保険の加入履歴の写し ・賃金台帳または源泉徴収簿の写し ・出勤簿の写し ・その他常勤であることが確認できるもの |
実績 | ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控 ・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など (過去に建設業許可を受けていた法人で役員を経験していた場合) |
|
個人事業主 | 地位 | ・個人事業税の納税証明書 | 地位 | ・所得税の確定申告書の控 |
実績 | ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控 ・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など (過去に建設業許可を受けていた場合) |
|||
支配人 | 地位 | ・支配人登記簿謄本 | 地位 | ・支配人登記簿謄本 |
常勤性 | ・健康保険被保険者証の写し ・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し ・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し ・賃金台帳または源泉徴収簿の写し ・出勤簿の写し ・その他常勤であることが確認できるもの |
常勤性 | ・健康保険被保険者証の写し ・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し ・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し ・賃金台帳または源泉徴収簿の写し ・出勤簿の写し ・その他常勤であることが確認できるもの |
|
実績 | ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控 ・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など (過去に建設業許可を受けていた個人事業主のもとで支配人を経験していた場合) |
|||
支店長・ 営業所長等 |
― | ― | 地位 | ・組織図 ・権限規程 ・辞令 など |
常勤性 | ・健康保険被保険者証の写し ・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し ・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し ・賃金台帳または源泉徴収簿の写し ・出勤簿の写し ・その他常勤であることが確認できるもの |
|||
実績 | ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控 ・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など (過去に建設業許可を受けていた法人で支店長・営業所長等を経験していた場合) |
|||
経営補佐 経験者 |
― | ― | 地位 | ・所得税の確定申告書の写し(個人事業主の場合) ・組織図 ・権限規程、業務分掌規程 ・辞令 など |
常勤性 | ・健康保険被保険者証の写し ・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し ・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し ・賃金台帳または源泉徴収簿の写し ・出勤簿の写し ・その他常勤であることが確認できるもの |
|||
実績 | ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控 ・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など (過去に建設業許可を受けていた法人や個人事業主のもとで経営の補佐を経験していた場合) |
役員、支配人が営業所から遠い場所に住んでいる場合は、現在の常勤性を疑われる可能性があります。通勤時間が1時間を超えるようですと、定期、通勤経路図、高速道路料金の領収書、ETCの利用明細書などの証明資料を求められる場合があります。住民票上の住所と現居所が異なる場合は、現居所にいることを証明する資料(公共料金の領収書など)も求められます。
また、建築士事務所を管理する建築士、宅地建物取引業者の専任の宅地建物取引士など他の法令で専任を要するものと重複する者は、専任を要求する営業体及び場所が同一である場合を除き「常勤であるもの」には該当しないとされていますので、注意が必要です。この次に紹介する「専任技術者」との関係についても、経営業務管理責任者が専任技術者としての基準を満たしている場合においては、同一営業所(原則本店または本社に限る)内に勤務するに限り、その兼務が認められています。
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許可取得に必要な専任技術者
専任技術者(建設業許可要件その2)
建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するためには、許可を受けようとする建設業に係る建設工事についての専門的知識が必要になります。見積、入札、請負契約締結等の建設業に関する営業は各営業所で行われることから、営業所ごとに、許可を受けようとする建設業種に関して、一定の資格または経験を有した者を常勤で設置することが必要です。この者を専任技術者といいます。
一般建設業許可を受ける場合の専任技術者
(1)指定学科修了者で、高校(旧実業学校を含む)卒業後5年以上、大学(高等専門学校、旧専門学校を含む)卒業後3年以上の許可を受けようとする建設業種での実務経験を有する者
(2)許可を受けようとする建設業種に関して10年以上の実務経験を有する者
(3)許可を受けようとする建設業種に関する国家資格、技術検定、技能検定等に合格した者
特定建設業許可を受ける場合の専任技術者
①専任技術者は、同一営業所内において、2業種以上の技術者を兼務することはできますが、他の事業所または営業所の技術者を兼務することはできません。ただ、同一営業所内であれば、経営業務の管理責任者を兼務することができます。
(具体例)
一級土木施工管理技士を持つ者が、本店の土木工事業ととび・土工工事業の専任技術者を兼務する→(○)
一級土木施工管理技士を持つ者が、本店の専任技術者と支店の専任技術者を兼務する→(×)
一級土木施工管理技士を持つ者が、A建設会社の専任技術者とB建設会社の専任技術者を兼務する→(×)
②建築士事務所を管理する建築士、宅地建物取引業者の専任の取引主任者等の他の法令で専任を要するものと重複する者は、専任を要求する営業体及び場所が同一である場合のみ兼務することができます。
③住所が営業所から著しく遠距離にあり、常識上通勤不可能な者は専任技術者になることができません。
④営業所の専任技術者は、契約締結や見積作成などを行うため営業所に常駐するのが原則です。ですので、工事現場に置かなければならない主任技術者や監理技術者との兼任はできません(一部特例があり、兼任できる場合もあります)。詳しくはこちらをご覧ください。
専任技術者の実務経験要件の緩和措置
許可を受けようとしている業種について10年以上の実務経験を有していれば、許可要件の一つである専任技術者となる資格を有することができますが、その業種の経験だけに限らず、許可を受けようとする業種と技術的な共通性がある他の業種での実務経験があれば、一定の範囲内で、許可を受けようとする業種の実務経験としてカウントすることができます。つまり、実務経験を一部振り替えることができます。
対 象 | 建設業法第7条第2号ロ該当=10年以上の実務経験(指定学科修了+卒業+実務経験は対象外です) | |
業種の範囲 | 土木一式 | → とび・土工、しゅんせつ、水道施設 (逆向きの振り替えはできません) |
建築一式 | → 大工、屋根、内装仕上、ガラス、防水、熱絶縁 (逆向きの振り替えはできません) | |
大工 | → 内装仕上 (逆向きの振り替えもできます) | |
緩和年数 | 専任技術者になろうとする業種での実務経験とその他の業種での実務経験が合計12年以上あれば、専任技術者になることができます。ただし、専任技術者になろうとする業種については、最低条件としてそれぞれ8年を超える実務経験が必要です。 |
建設業の種類別指定学科
許可を受けようとする建設業 | 学 科 |
土木工事業 ほ装工事業 | 土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地または造園に関する学科を含む。以下この表において同じ。)、都市工学、衛生工学または交通工学に関する学科 |
建築工事業 大工工事業 ガラス工事業 内装仕上工事業 | 建築学または都市工学に関する学科 |
左官工事業 とび・土工工事業 石工事業 屋根工事業 タイル・れんが・ブロック工事業 塗装工事業 | 土木工学または建築学に関する学科 |
電気工事業 電気通信工事業 | 電気工学または電気通信工学に関する学科 |
管工事業 水道施設工事業 清掃施設工事業 | 土木工学、建築学、機械工学、都市工学または衛生工学に関する学科 |
鋼構造物工事業 鉄筋工事業 | 土木工学、建築学または機械工学に関する学科 |
しゅんせつ工事業 | 土木工学または機械工学に関する学科 |
板金工事業 | 建築学または機械工学に関する学科 |
防水工事業 | 土木工学または建築学に関する学科 |
機械器具設置工事業 消防施設工事業 | 建築学、機械工学または電気工学に関する学科 |
熱絶縁工事業 | 土木工学、建築学または機械工学に関する学科 |
造園工事業 | 土木工学、建築学、都市工学または林学に関する学科 |
さく井工事業 | 土木工学、鉱山学、機械工学または衛生工学に関する学科 |
建具工事業 | 建築学または機械工学に関する学科 |
なお、実際の審査のときには修了した学科が上記のものに該当するかどうかを調べられますので、卒業証明書等で事前に確認されることをおすすめします。
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許可取得に必要な500万円という金額
財産的基礎または金銭的信用を有していること(建設業許可要件その3)
建設工事に着手するにあたっては、請負契約を取ってくるまでの営業活動、資材・機械器具等の購入や労働者の確保など、一定の準備資金が必要になります。このため、建設業許可が必要となる規模の工事を請け負うことができるだけの財産的基礎を有していることが1つの要件となっています。この財産的要件は一般建設業と特定建設業では異なり、多くの下請業者を使用して工事を施工する特定建設業ではより厳しい基準が設定されています。
要 件 | |
---|---|
一般建設業 | ・自己資本の額が500万円以上であること ・500万円以上の資金を調達する能力を有すること ・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること |
特定建設業 | ・欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと ・流動比率が75%以上であること ・資本金の額が2000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4000万円以上であること |
用 語 | 説 明 |
---|---|
自己資本 | 貸借対照表の純資産の部の純資産合計額 |
欠損の額 | 法人の場合→(繰越欠損金-法定準備金-任意積立金)÷資本金×100% 個人の場合→(事業主損失+事業主借勘定-事業主貸勘定)÷期首資本金 |
流動比率 | 流動資産合計÷流動負債合計×100% |
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