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許可取得に必要な経営業務管理責任者

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経営業務の管理責任者(建設業許可要件その1)

建設業許可を取得するためには、5つの要件を充たしていなければなりません。そのうちの第1の要件が、営業所に経営業務の管理責任者現在在籍していることです。

(なお、経営業務の管理責任者の要件は平成29年6月30日に改正されました本ページについては現在加筆修正中であり、皆様にはご迷惑をおかけしております。速やかな修正作業に努めておりますが、経営業務の管理責任者の要件についてはご自身でご確認いただきますようお願いいたします。当ホームページをご覧になった方が当ホームページに掲載された情報により何らかの損害を被ったとしても、弊所は一切の責任を負いませんので、予めご了承ください。)

経営業務の管理責任者とは、

○法人である場合には、常勤の役員
○個人である場合には、事業主本人や支配人登記簿に登記済の支配人

である者のうち、建設業の経営業務に関して営業取引上対外的に責任を有する地位にあり、過去に経営業務を総合的に管理し、執行した経験を有する者をいいます。

用語説明 内          容
常勤 本社、本店等において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している状態
※原則毎月の役員報酬が10万円以上というのが目安です
役員 株式会社、特例有限会社の代表取締役または取締役
指名委員会等設置会社の執行役
持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)の業務執行社員
社団法人、財団法人、協同組合、協業組合等の理事
※監査役、執行役員、監事、業務を執行しない社員、事務局長などは原則として含まれませんが、業務執行社員、取締役又は執行役に準ずる地位にあって、許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等については含まれます
支配人 営業主に代わって、その営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する使用人で、法務局において登記されている者

また、経営業務の管理責任者は、次のような経験を有していなければなりません。

(1)許可を受けようとする建設業種に関し、次のいずれかの地位にあって5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること

①法人の役員
②事業主本人または支配人(登記済)
③支店長または営業所長(請負契約の締結権限等を有する者に限る。主に上場企業が該当)
④業務執行権限を委譲された執行役員

(具体例)建築工事業の許可を受けたい場合

建築工事業を行うA建設で取締役として5年の経験がある→(○)
建築工事業を行う個人事業主として5年の経験がある→(○)
建築工事業を行うA建設で取締役として4年、その後建築工事業を行う個人事業主となって1年の経験がある→(○)
建築工事業を行うA建設で熊本支店長(営業取引上対外的に責任を有する地位にある)として5年の経験がある→(○)
建築工事業を行うA建設で建築事業部門の執行役員として5年の経験がある→(○)
建築工事業を行うA建設で建築事業部門の執行役員として4年、建築工事業を行うB建設で取締役として1年の経験がある→(○)
屋根工事業を行うC建設で取締役として5年の経験がある→(×)
建築工事業を行うA建設で監査役として6年の経験がある→(×)
建築工事業を行うA建設で人事部門の執行役員として5年の経験がある→(×)

(2)許可を受けようとする建設業種以外の建設業種に関し、上記①~③の地位にあって6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること
(具体例)電気工事業の許可を受けたい場合

大工工事業を行うD工業で取締役として6年の経験がある→(○)
大工工事業を行う個人事業主として6年の経験がある→(○)
管工事業を行うE管工で取締役として6年の経験がある→(○)
管工事業を行うE管工で取締役として4年、屋根工事業を行うF組で取締役として2年、合計6年の経験がある→(○)
屋根工事業を行うF組で取締役として4年、電気工事業を行うG電工で取締役として2年、合計6年の経験がある→(○)
屋根工事業を行うF組で取締役として4年、電気工事業を行うG電工で執行役員として2年、合計6年の経験がある→(○)
塗装工事業を行うG塗装で取締役として4年、その後板金工事業を行う個人事業主となって2年、合計6年の経験がある→(○)
塗装工事業を行うG塗装で取締役として4年、屋根工事業を行うF組で執行役員として2年、合計6年の経験がある→(×)
塗装工事業を行うG塗装で取締役として4年、屋根工事業を行うF組で取締役として1年、合計5年の経験がある→(×)
塗装工事業を行うG塗装で

(3)許可を受けようとする建設業に関し、6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位(常勤)にあって、経営業務を補佐した経験を有していること

(具体例)土木工事業の許可を受けたい場合

土木工事業を行うH土木(上場企業)で工務部長として7年の経験がある→(○)
土木工事業を行う個人事業主の子、妻、共同経営者として10年経営を補佐した経験がある→(○)
土木工事業を行うH土木で工務部長として3年、その後土木工事業を行うI建設(非上場)で取締役として3年、合計6年の経験がある→(○)
土木工事業を行うI建設で工務部長として6年の経験がある→(△)
土木工事業を行うH土木で工務部長として6年、大工工事業を行うC建設で工務部長として3年、合計9年の経験がある→(×)

この場合は、個人事業主の子、妻は確定申告書の「専従者名」の欄に名前が記載されていることが必要です。また、非上場会社の建築部長は、従業員の数にもよりますが、組織図があっても経験として認められない可能性があります。請負契約を締結した経験が重要となりますので、建築部長、工務部長、営業部長などは可能性がありますが、人事部長、経理部長等の役職では難しいと思われます。役員と部長の間に役職として本部長などがいる場合も、経営を補佐したとは認められないでしょう。詳しくはお尋ねください。

経営業務管理責任者の地位、常勤性、実績を確認する書類

経営業務の管理責任者は現在の地位と常勤性、過去の地位、常勤性、実績を証明する必要があります。下表は証明に必要な書類の一例です。

   現   在  過   去
法人の役員 地位 ・履歴事項証明書・閉鎖登記簿謄本 地位 ・履歴事項証明書・閉鎖登記簿謄本
常勤性 ・健康保険被保険者証の写し
・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し
・厚生年金保険の加入履歴の写し
・賃金台帳または源泉徴収簿の写し
・出勤簿の写し
・その他常勤であることが確認できるもの
実績 ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控
・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など
(過去に建設業許可を受けていた法人で役員を経験していた場合)
個人事業主 地位 ・個人事業税の納税証明書 地位 ・所得税の確定申告書の控
実績 ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控
・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など
(過去に建設業許可を受けていた場合)
支配人 地位 ・支配人登記簿謄本 地位 ・支配人登記簿謄本
常勤性 ・健康保険被保険者証の写し
・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し
・賃金台帳または源泉徴収簿の写し
・出勤簿の写し
・その他常勤であることが確認できるもの
常勤性 ・健康保険被保険者証の写し
・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し
・賃金台帳または源泉徴収簿の写し
・出勤簿の写し
・その他常勤であることが確認できるもの
実績 ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控
・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など
(過去に建設業許可を受けていた個人事業主のもとで支配人を経験していた場合)
支店長・
営業所長等
 ― 地位 ・組織図
・権限規程
・辞令    など
常勤性 ・健康保険被保険者証の写し
・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し
・賃金台帳または源泉徴収簿の写し
・出勤簿の写し
・その他常勤であることが確認できるもの
実績 ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控
・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など
(過去に建設業許可を受けていた法人で支店長・営業所長等を経験していた場合)
経営補佐
経験者
 ― 地位 ・所得税の確定申告書の写し(個人事業主の場合)
・組織図
・権限規程、業務分掌規程
・辞令    など
常勤性 ・健康保険被保険者証の写し
・健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書の写し
・賃金台帳または源泉徴収簿の写し
・出勤簿の写し
・その他常勤であることが確認できるもの
実績 ・工事請負契約書、注文書、請書、工事代金の請求書の控、領収書の控
・建設業許可申請書、変更届出書、経営事項審査請求書及び添付書類など
(過去に建設業許可を受けていた法人や個人事業主のもとで経営の補佐を経験していた場合)

ここがポイント2
役員、支配人が営業所から遠い場所に住んでいる場合は、現在の常勤性を疑われる可能性があります。通勤時間が1時間を超えるようですと、定期、通勤経路図、高速道路料金の領収書、ETCの利用明細書などの証明資料を求められる場合があります。住民票上の住所と現居所が異なる場合は、現居所にいることを証明する資料(公共料金の領収書など)も求められます。

また、建築士事務所を管理する建築士、宅地建物取引業者の専任の宅地建物取引士など他の法令で専任を要するものと重複する者は、専任を要求する営業体及び場所が同一である場合を除き「常勤であるもの」には該当しないとされていますので、注意が必要です。この次に紹介する「専任技術者」との関係についても、経営業務管理責任者が専任技術者としての基準を満たしている場合においては、同一営業所(原則本店または本社に限る)内に勤務するに限り、その兼務が認められています。

 

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