建設業許可基本事項Q&A
Q1.建設業を営む場合、必ず許可を受けなければならないのでしょうか
A1.建設業を営むのに必ず許可を受ける必要はありません。ただし、下表にある軽微な工事以外を請け負うときは許可を受けなければなりません。
許可を受けなくてもできる軽微な工事 | |
建築一式工事 | 工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事 |
延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事 | |
建築一式工事以外 | 工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事 |
Q2.請負金額の考え方を教えてください
A2.建設業法における請負金額の考え方は次のとおりです。
●同一の者が公示の完成を2つ以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の合計額とする。
●注文者が材料を提供する場合は、請負金額の代金の額に、その材料の市場価格と運送賃を加えた額とする。
●元請工期が長期間にわたる工事で、長期間の間をおいて複数の下請契約により、工種が異なる工事を請け負った場合でも、それらの合計額とする。
●単価契約で工事を行った場合は、単価×数量の合計額を請負金額とする。また小口、断続的な契約であっても、それらの合計額を請負金額とする。たとえ年をまたいだり、工種が異なっていた場合でもそれらすべての合計額を請負金額とする。
Q3.150㎡未満の木造住宅工事の考え方を教えてください
A3.この場合の住宅とは、「住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するもの」と定義されます。また面積については、建築基準法上の延べ面積の定義に準拠し、「建築物の各階の床面積の合計」を指します。
Q4.営業所のある都道府県外で仕事をするためには、大臣許可が必要でしょうか
A4.知事許可と大臣許可は、施工する場所に関わらず、建設業を営む営業所がその都道府県内のみか、それ以外にも置くかによる区分です。例えば、営業所が熊本県内のみの場合は、熊本県知事許可があれば主任技術者等必要な技術者を配置して熊本県外の現場で施工できます。
Q5.工事現場に人を派遣(人工出し)をすることは建設工事として認められますか
A5.人工出しは建設工事の請負契約とは認められません。なお、「1人工につきいくら」といったいわゆる常傭(常用)の契約で工事を請け負うことは、建設工事の請負に該当します。ただし、行政庁によっては認めないところもありますので、個別に尋ねることをおすすめします。
Q6.一式工事の許可を持っていれば、関係する工事は何でも施工できますか
A6.できません。土木一式、建築一式工事の許可のみを有する建設業者が500万円以上の専門工事を請け負うことはできず、別途個別の専門工事の許可を受けなければなりません。
Q7.一式工事を請け負い、その一部または全部の専門工事を下請に施工させず、自社で施工することはできますか
A7.一式工事の中に含まれる専門工事が、500万円未満である場合は可能です。また、500万円以上となった場合でも、専門技術者を配置さえすれば自社施工が可能です。なお、専門工事の中に含まれる附帯工事部分についても、同様に自社施工する場合は専門技術者の配置が必要です。この場合の専門技術者の要件は主任技術者に要求される資格と同じです。
Q8.附帯工事とはどのような工事ですか
A8.建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事のほか、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事をも請け負うことができるます。これを附帯工事いいます。附帯工事は主たる建設工事を施工するために必要を生じた他の従たる建設工事又は主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないものをいいます。原則、附帯工事の額は主な建設工事の請負金額を上回ることはありません。
なお、上のA1.にある軽微な建設工事に該当する場合は附帯工事ではなく軽微な建設工事になります。
(具体的事例)
①主な建設工事を施工した結果、他の種類の建設工事を施工する必要があった場合(屋根の改修を行ったために、屋根の塗装工事が必要になった)
②主な建設工事を施工するためには他の種類の建設工事を施工する必要が生じる場合(金属製サッシの取り付けを行うためにはコンクリート工事が必要になる)
建設業許可を受けている業者は、附帯工事であろうと軽微な工事であろうと、建設工事の現場にはその専門工事に携わる主任技術者等を配置する義務がありますのでご注意ください。